Tさんに会ったとき
奇跡講座をはじめたものの、大学を辞めようか、悩んでいたとき、
あまりにも葛藤して悩み続けるのが辛く、大学に居続けるのも辛くて、
ギブアップの会のTさんに会いに東京まで行って、
話を聞こうと思った。藁にもすがる気持ちで。
その時、Tさんは個人セッションは受け付けていなかったにもかかわらず、
誰かに相談したい、コースやTさんや多くの教えや教師たちが語る、
この世のものではない何か、エゴの世界観を超えた救いや希望があるのか確かめたい、ダメなら自殺でもなんでもすればいいと思って、
ダメ元で申し込んで、会いに行った。
Tさんは、「個人セッションは受け付けてないと書いてあるにもかかわらず、申し込んでくるってことは、よほど気持ちが強いんだろう」
と言って、快く受けてくれた。
会う日の朝、自分でも笑ってしまうけど、朝日を夕日と勘違いして、
朝の7時と夕方の7時を勘違いして、遅刻すると思いこみ、焦って
10時間早く東京に着いてしまった。
東京の待ち合わせ場所の近くの、
小さな公園でベンチに座りながら、夕方までずっと、
奇跡講座のワークブックを読んでいた。
ただ、Tさんが何歳かもわからず、正直謎で、文章の雰囲気から、
「たぶん、50歳とかだろう。髪の毛はどんな感じだろう、、」
と思っていたら、
いざ会うと、想像よりはるかに若くて驚いた。
Tさんは想像の10倍、元気で快活で、むしろ、
親戚のお兄さんという感じさえあり、
「悟った、すまし顔の静かな余裕ある、中年の男性なんだろう」
という自分の勝手なイメージとはまるで真逆で、
あまりのギャップに驚いて、会ってしばらく何も言えなかった。
その時Tさんが言ってくれたことはまだ覚えてるけど、
「僕に見えていることは今はわからなくても、
必ずあなたにも、見えるようになるから。
だって、あなたもわたしも同じ存在で違いはないんだから」
と言ってくれた。
ありがたかった。
こんな人に会ったのは、人生初だった。
あの時は、のりこさんや、デイビッドのことも知らなかった。
東京の初夏の夕方、ウルトラセブンで、
ダンとメトロン星人が夕焼けをバックに話した時みたいだった。
人間と、人間の世界の外にいる宇宙人が話しているような。
メトロン星人も、人間の世界を知り尽くしていた。