呼んでいる胸のどこか奥で

2016年から奇跡講座を学んでいます。デイビッドはDavid Hoffmeister氏で、ワプニック博士はKenneth Wapnick博士てす。MWGEはコース学習者のための映画紹介サイトhttps://mwge.org/ です。

朝ドラとアリとキリギリス

朝ドラでは、たいがい、

「コツコツまじめに働かないでぐうたらな男」が1人はいる。

正直、自分の無価値感・劣等感を思い出させられる。

しかも、朝ドラはたいがい昭和とかが舞台で、

「逆境に負けず、コツコツまじめに働く日本人こそ清貧というか美しい。

ぐうたらなやつは一発逆転を狙ったり、ズルいことをして、

痛い目に遭う。」

というアリとキリギリス的なストーリー。

今放映しているチムチムどんどんみたいなタイトルの沖縄の女の子の朝ドラでは、

主人公の女の子がやりたい仕事がないと、進路で悩んでいた。

すると脇役の男が主人公に、案の定「就職もせんと、家族の迷惑も考えんね」

みたいなセリフを言った。

自分が夕食を食べていると、その後ろで、

予想通り例によって父がそのセリフを聞いてハッハッハと大声で嘲るように笑い、

ニヤァと笑いながらこっちを見て、「本当だよなぁ?」と言う。

怒りというか腹にグッと固まるようなエネルギーを感じた。

確かに、実際には一時的にも働くことが正解のステップなのかもしれないし、

可能性はあるかもしれない。わからない。

「普通はいきなりやりたい仕事なんかいきなり見つからん。

とにかくまずは働いてみて、いろいろ覚えて、楽しくなるもんよ」

と、父と同じことを言う沖縄のじいちゃんのセリフも、

なるほどもっともらしく聞こえるけど、

経験が充分あっても、

毎朝憂鬱な気分で出勤する人間が日本だけでも何人いるのか?

沖縄じいちゃんのセリフは、

「人間は夫婦になって子どもがいれば幸せ」

と同じような考えじゃないか。

それなりに立場も経験もあり、

職場で頼りにされている両親は連休が終わる度、ハァーと溜息をついて、

「また仕事か、、」と言っている。

沖縄のじいちゃんのセリフみたいな、

「さも正しい年長者の知恵のように聞こえるけど、

よく考えたら明らかに矛盾してる言葉」にムカついた。

父の言動に対してムカついたのは、意見や正しさというかは、

いかにも見下して侮辱する態度だった。

何かのドラマで「働かない人間」が出てくる度に、父はこれを毎回必ずやる。

自分の中で、確かに働くのが必要なステップなのかもと感じている

部分があるからムカつくのか。

父にムッとしていたから自分ではほぼ意識出来なかったけど、

腹立ちの下に抑圧されていたのは

劣等感・無価値感なのか。

 

自分が何かを言おうものなら、無視して朝ドラを見続けるのか、キレるのか、

どちらにせよ、

父に抗議したり言い返したりしても、

醜い争いが始まって母が嫌がるだけなのは見えているから、何も言わない。

父はいやらしく侮辱したり嘲ったり、

痺れをきらしたのか、もうホームレスになれ!と激しく怒ったり、

ときには、

「母さんと父さんはな、2人で心配しとるんじゃ」

みたいな、同情と罪悪感を感じさせるようなことを言ったりして、

とにかく「働かない息子」を「ちゃんと働く息子」に変えたい。

スピリチュアルなものが大嫌いで、

「しっかりと働いてみんなから頼りにされる頑健で万能で優秀な教師」

であることに非常に誇りとプライドがある父にとっては、

「全く働かないで謎の奇跡講座とかいう

キリスト教みたいな怪しい宗教らしきものを学んでいる人間」

である自分に対して、不満や嫌悪感や不快感を感じるのはわかる。

「弱いから怪しい宗教に頼っている情け無い奴、

近所や親戚にも恥ずかしい息子。

コイツさえちゃんとしていれば」という感じに、

劣等感・無価値感を息子に貼りつけて、

なんとか変えたくて仕方ないのか。

自分でも、父と同じことを自分にやっているのか、と書いていて今気づいた。

そういえばインセプションでも、

「父親から会社を受け継ぐんじゃなくて、自分の力で成し遂げろ」

というアイディアをロバートに植えつけるシーンがあった。