強い人「神は無力だ」
父は「強く、パワフルで、大体なんでも、上手に人よりこなせる人」だ。
スポーツは子どもの頃から
バスケ、剣道、野球やらサッカーやらをやっていた。
今はゴルフ。
大学で合唱もやっていて、歌もとてもうまい。
絵とか、工作やら陶芸もうまい。
勉強も、できた。
字や書道も本当にうまい。
実家が海のそばだったから、泳いだり、釣りやらレジャー系も
一通りできる。船の免許まである。
パソコンやら家電系も得意。
そんな感じで、大体なんでもできるから、
職場で頼りにされるのはわかる。
30年以上、病気で仕事を休んだことが一度もないのが誇り。
それもそのはず、病気でも出勤する。
自分だって、人事を考える立場なら、
父みたいな頼りになる人が必要と思うかもしれない。
「宗教やスピリチュアルとかは心の弱い人間が頼るもの。」
と言っていた。
ただ、昔UFOを昼間にハッキリと見たことがあるらしく、
神やら霊的なものは受け付けないけど、宇宙人の存在は確信している。
そのUFOは目撃者が多かったから、地方の新聞に載ったらしい。
あと愛だとか赦しにはもちろん興味がない。
「とにかく自分が活躍する」こと以外を考えることができない。
ちょうどイチローやカズみたいな人が、「自分が選手として活躍する」
ことをいつまでも手放せなくなるように。
小さい頃は、父を誇りに思っていた。
周りを見ても、父ほど万能な大人はほぼいなかった。
浦安鉄筋家族という漫画が刃牙という格闘漫画のパロディをしたシーン。
範馬勇次郎は、画像みたいな見た目で、
「主人公刃牙の父親である地球最強の生物」で、まさに強い人、
傲岸不遜さの塊みたいなキャラ。
浦安鉄筋家族ではガキというキャラの母親というパロディの設定。
ガキが神社で神に祈願していると、
「神は無力だ 信じられるものは己の拳のみだ」
と、まさに弱肉強食が基本の自我の象徴みたいなことを言う。
範馬勇次郎は自分自身を最強の権力者、地球の神として崇拝している。
「金でも権力でも地位でも、つまりそれは強さの代替であり、
他人を負かして従わせて、
自分の意思を押し通せる強さ、つまり本質的に喧嘩の強さの代替物。」
と言っていて、確かに自我にとってはその通りだと思った。
刃牙では、「強さの定義とは、自分の意思や欲求を押し通す力」
というセリフがあったけど、まさに分離を実現するために、
神を負かすというのと一緒だと感じた。