呼んでいる胸のどこか奥で

2016年から奇跡講座を学んでいます。デイビッドはDavid Hoffmeister氏で、ワプニック博士はKenneth Wapnick博士てす。MWGEはコース学習者のための映画紹介サイトhttps://mwge.org/ です。

やっぱり大好き名作アニメ『涼宮ハルヒの憂鬱』第5話

ハルヒのコース的なところを見たい人は、

たぶん5話(憂鬱V)から見るのがいいかもしれない。

コースとかマトリックスとそっくりの世界観の説明があるから。

気が強くて優秀で見た目も美しく、自信があり、

決して弱音を吐かない性格のハルヒが、

自分の無価値感、人生への絶望感を吐露するシーン。

「子どもの頃、自分は特別で価値があると思っていて、毎日楽しかった。

でも、初めて野球場に行ったとき、何万人も人がいて、

人口の多さに驚き、

自分が1億人もいる日本人のうちのひとりに過ぎない、

ちっぽけで無力で、さして特別でもない、

あまり価値がない存在でしかないことをはじめて意識して、

愕然とした。それから、毎日が色あせ、日常がその他大勢と変わらない、

退屈なルーティンの繰り返しにしか思えなくなり、

楽しくなくなった。

何もせず、待っていても、退屈で平凡な時間がただ過ぎるばかり。

だったら、自分からアクションを起こして、ただ待っているだけの、

無力な女じゃないことを証明して見せると思い、いろいろやったけど、

結局変化は起きなかった。何か変化を期待していたけど、

何も起きないまま、気づいたら、高校生になっちゃった。」

久しぶりにハルヒを少し見直したら、5話はやはり良かった。

ハルヒの無価値感、自分はさして特別でもない、

無力でちっぽけな存在だから、

なんとか特別になりたい、自分を価値ある存在にしたかった、

という気持ちは、共感できる。

小学生が野球の練習をするのも、大人が仕事での成功を強迫的に追求するのも、「無力で、平凡な、無価値な、その他大勢の人間でいたくないから、なんとか自分の価値を上げて、自分の価値を証明したいから」

じゃないか。

ハルヒが自分の人生への絶望感を話したあと、

主人公は助けになるようなことは何も言えず、

無力感を感じる。

その後別のキャラクターが、「ハルヒは、自分は無力でちっぽけな女の子、

だと思って、不満や強烈な怒り、莫大な攻撃衝動を抑圧している。

本当は、ハルヒの心の力、願望の力は宇宙で最も強い力なのに。

自分で自分を、思い込みの世界観に幽閉して、世界に不満を抱いている。」

という説明をする。

その後、ハルヒの莫大な怒りと攻撃衝動で作られた世界が、

一瞬で崩壊する様を、主人公は目撃する。

自分の願望で作られた世界の中で、

無力で無価値な被害者である人間になりきって、

無力な被害者の世界観に自分を幽閉して、

本当の自分をすっかり忘れて人間として生きている。

そのことにまるで気づかず、退屈な人生に絶望している。

しかも、見た目が美しく魅力的で優秀だから、

本当は絶望しているのに、

傍目には恵まれているように見えるという、カモフラージュまである。

5話は、本当に完璧な流れだった。見事。

他のエピソードでは、同じ日を何万回も繰り返して、

ループから脱出するとか、いろいろぶっ飛んだ話があり、

楽しいアニメです。

オタクの代名詞みたいなアニメだけど、

マトリックスインセプショントゥルーマンショーと同じくらい、

個人と世界の関係をうまく描いていて、おススメです。