超オススメ映画『最高の人生の見つけ方』日本リメイク版
朝から、『モリーとの火曜日』を読んで、しみじみと感じ入っていた。
のりこさんが言っていたように、もし寿命が少ししかなかったら、
躊躇や遠慮をしている場合じゃない。
散髪に行って、帰ってきて、小学校に久しぶりに散歩に行って、
たぶん15年ぶりくらいに、懐かしさを感じながら、
鉄棒とかブランコに触った。
鉄棒に手を掛けて、逆上がりしようとしたけど、
今やったら、筋肉がつるか、と思い、やめた。
家に帰ると、母が、『最高の人生の見つけ方』を見ていた。
アマゾンか何かで、無料で見れたらしい。
ガンが見つかって余命がない2人の女性が、旅をして、
本音をぶつけあってケンカしたり、泣いたり笑ったりする。
天海祐希が演じるマコというやり手の社長の女性が、
鉄棒で逆上がりするシーンがあった。
完璧なタイミングだった。
吉永小百合は、若い頃から、家族や姑のために、
気を遣って、遠慮して生きてきて、
People pleasingで生きてきたから、いざ、自分の死期を前にしても、
やりたいことが見つからない、サチという遠慮がちな主婦の役。
サチの家族が、自分の家とそっくり同じ家族状況。
夫が、テレビを見ながら、餃子やら、スポーツばかり気にしている。
あまりにも発言や態度がオヤジとかぶり過ぎてて、大爆笑した。
娘は、都会で忙しく働いている。
息子は、引きこもっている。
デイビッドが、この動画https://youtu.be/kxCN37O9HNMで、
「自分がいて支えなければ、この家族や職場は回らないから、
自分が頑張らないとダメなんだ、と思い込んで、働いていると、
ストレス、義務感、被害者感、奴隷感がたまって、怒りがたまる。」
と言っていた。
まさに、サチは善人マスクで、良き母を演じていた。
息子は息子で、こんな父や母を見て、この世界には希望なんかない、
どうせ、嫌な思いするだけ、社会の奴隷になるだけなんだ、
と思ってたんじゃないか。
息子役は、最後まで全く喋らずだったから、唯一、本音が見えなかった。
代わりに、自分が、両親や高校の教師に対して本音をぶつけるなら、
「おまえらは、社会のはみ出し者になるのが怖くて、
周りから、見下されたり、白い目で見られたり、糾弾されるのが怖くて、
新しい生き方や、未知の可能性を探ることをせずに、
社会で承認される役割をマスクにして、
未来が保証されてる安全な公務員という立場で、
何十年も奴隷として生きてきたくせに、
オレに偉そうに指図するんじゃねえっ。
若い世代に、昭和の奴隷のルール、価値観、
窮屈な生き方を、押し付けるな。
オレは、自由になってやる。自由に生きて見せる。
そりゃ、未知への怖さもあるけど」
だった。
あと、JACIMフォーラムで、
JACIMのウェブのデザイン関係などに協力していたらしい、
たぶん50歳くらいの女性が、
飼い猫が死んだという趣旨の文章をフォーラムに書いて、
しばらくして連絡がつかなくなり、
そのしばらく後に、
自宅で突然死していたのが警察に電話したらわかった、
本人にとって、いい旅立ち方だったと思う、と、
澤井さんが話していたのを思いだした。
肉体が若いとはいえ、おれもいつ死んでも、おかしくはないんだよな。
サチの娘が、「わたしが姉だから、女だからって、
お母さんが死んだ後の、家族の世話をわたしに頼むの?
わたしには、わたしの人生があるの!」
と言っていた。
ジェニーさんが、デイビッドのコミュニティに住みはじめたとき、
デイビッドから、「そこにある、服を持ってきてくれない?」
と言われたとき、
「女性だから、下に見られて、召使いみたいな扱いをされるんだ」
という強い怒りが沸き起こってきたらしいことを思い出した。
あと、引きこもりの息子が最後、スーパーで働いていたシーンを見て、
正直、「おまえには、こういう扱いでじゅうぶんだ。
おまえも、みんなと同じように、奴隷に加わるんだよ」
と言われてる気がした。
なんていうか、
「働かざるもの食うべからず。働かないのは罪。
働くなら、許してやるよ。ほら、働けよ。自分の身分をわきまえろよ」
と言われたような、屈辱感を感じ、またレールに押し込めるのかよ、
カンベンしてくれよ、と思った。
スーパーで働くという絵は、息子役が母の死で成長したという、
わかりやすい演出に過ぎないと、頭ではわかっていても、
反論したくなった。他に可能性が、あるはずじゃないか!と。
女社長のマコは、
「わたしは、父のせいで貧乏で、いじめられてたから、
社会で競争を勝ち抜いて、たくさん稼いで、自分の価値を上げるのに、
ずっと必死だった。自分を捨てた父に、復讐したかった。」
と言っていた。
マコは、資産が200億円あるけど、高い医療を受けても、
ガンの進行は止まらないし、夫が浮気して自分を見捨てるのをお金で
止めることも出来なかった、
金はあの世には持っていけないという言葉の意味を思い知った、
と言っていた。
自分も、小学校から、高校まで、テストや模試の得意科目で、
ほかの子たちを全員負かしたり、
他の子が答えられなかった先生の質問に正確に答えたりして、
自分の特別さ、優越的地位を、確認していた。
自分の特別な価値を確かめて、他者に承認して欲しかった。
無防備に、心を開くのは、怖かった。
無防備になったら、自分だけ、弱いというか、不利な立場になる。
でも、そこにしか、本当の幸せはない。
あと、寿命がわずかしかないなら、無防備になれる気がする。
後先の、自分の立場が不利になるとか心配せずに。