良い作文 とはなんなのか 好きだった毒舌の先生
子どもの頃から、本を読むのは好きでも、作文は苦手だった。
読書はやるけど、読書感想文を書くのは苦痛だった。
教育についての不満が噴出しそうになったけど、それはまた。
小学4年のとき、運動会の感想文を全員で書かされることになり、
「運動会自体が嫌いな自分は運動会の感想なんて、何書けばいいやら、さっぱりわからん。
もういいや、別の先生は時系列順に出来事をならべて、◯◯がありました。
◯◯がありました。という文章はダメだからと言ってたけど、
運動会の朝から時系列順に出来事を書いて、感じたことをそのまんま
書いてしまえ。あれこれ考えて工夫するのは苦痛だし面倒だ。」
と投げやりになり、
「運動会の朝、号砲の音で、目覚め、緊張感を感じました。
登校したら、同級生は、自分と同じ緊張感を感じてないのか?と思いました。」
と、別の先生がダメと言っていた、時系列順にただただ並べる文章を書いて提出したら、
先生から、「わたしは、◯◯くんの作文が一番良かったと思うんやけどね」
と言われて、「え?これが評価されるの?大人っぽく上手な言葉遣いで、工夫や趣向を凝らした文章が褒められるんじゃないの?
おれはただ時系列順に書いただけなのに」
と驚いた。
その女性の先生は、
「老人は、社会に迷惑な存在だから、若い人のために、早く死ねばいい」
と、教室で全員の前で平気で言い放った先生で、
毒舌というか、善人マスクがぜんぜんない、
ある意味悪い先生だったけど、気遣いや躊躇がないぶん、
ハッキリ、性格がサッパリしていて、ワイルドで、
快活で、平気で悪口を子どもたちの前で言い放つ、
ぜんぜん学校の先生らしくないところが、
自分は本当に好きだった。
PTAとか、自分の教師としての評価とか、まるで気にしない。
新聞にあった凶悪な事件をわざわざ子どもたちの前で紹介したり、
言いたいことを、悪いことでも平気で言う。
だから、この先生に褒めてもらえたのが、心底嬉しかった。
お世辞じゃなくて、本当にいいと感じたんだろうと思えたし、
あんな人柄だったから、趣向を凝らしたような文章より、
ただただ、シンプルで飾りがない文章がいいと思ったのか。
のりこさんも、平気でグサッとくることを言ってくるけど、
マスクがないからか、あの快活な感じ、
ワイルドだけど生き生きしてる感じがある。